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『慢性病の原因は「メタボリック・スイッチ」にあった!病はなぜ治らないのか?』

 

本著は、2017年に出版した『病はリポリシスから』が入手できないというたくさんの読者さんからのメッセージを頂いたことが執筆の契機となりました。

 

前著の内容を踏襲したものの、内容は刷新したものになっています。今回は「リポリシス(脂肪分解)」だけでなく、それによって必然的に起こる「メタボリック・スイッチ」にもフォーカスして、あらゆる慢性病の発生および「なぜ病が治らないのか」を詳細に説明しました。

 

近年でも重症の新型コロナウイルス関連肺炎や大腸ガンとリポリシスによる血液中遊離プーファ(多価不飽和脂肪酸、とくにDHA,EPA)上昇との関連が現代医学でもようやく報告されるようになってきました(High plasma concentration of non-esterified polyunsaturated fatty acids is a specific feature of severe COVID-19 pneumonia. Sci Rep. 2021 May 24;11(1):10824)(Mendelian Randomization of Circulating Polyunsaturated Fatty Acids and Colorectal Cancer Risk. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2020 Apr;29(4):860-870)。

 

 

私が長年お伝えしている糖のエネルギー代謝を高める方法で、たくさんの方から心身の健全性を向上したという有難いメッセージを頂いています。

しかし、その一方で私に相談される方のほとんどは、慢性病の長期化して臓器障害が出ている、あるいはすでにガン末期である方が多いです。

 

これらの人の特徴は、ある治療法をしていて治らないから、また違う治療法を探しては止めるということを繰り返しています。

特に一般健康ポップカルチャーで流行している糖質制限、マクロビ、ビーガン、オメガ3、鉄や他のサプリメント類を継続していたという共通項が多い事実にいつも驚きます。

 

これらの巷で流行している食事法やサプリメント類は、実際はリポリシスおよび「メタボリック・スイッチ」を引き起こすことで、徐々に私たちの体を蝕んでいきます。

 

これらの生体にストレスを与える方法は、糖のエネルギー代謝を低下させて「免疫抑制」を導くため、炎症による症状が一時的に軽減されることで「効果がある」と錯覚を引き起こします。

 

この症状軽快の時期は短く、やがて排出すべき「炎症ゴミ」が蓄積して、前とは比較にならない激烈な炎症を引き起こします。そして、多臓器障害やガンの末期の状態になって、ようやく私のところに相談に来られるというパターンなのです。

 

残念ながら、現代医療の治療もこれとあまり変わりありません。根本原因の下流(downstream)で起こっている現象だけにフォーカスして、特許のある薬剤投与や外科的治療などの近視眼的な方法が幅を利かせているお寒い状況です。

 

根本原因であるプーファの蓄積、リポリシス、メタボリック・スイッチには見て見ぬふりして、その結果発生する末端の事象に対してのみの対処療法しか許されていないといった方が的確な描写となるでしょう。

 

慢性病の根本治療であるプーファ・フリーにして糖の摂取量を増やす原始人食を徹底しても、調子が悪くなったと感じることがあり、症状が再発することがあります。

これは、私たちの脂肪組織(病態の進んでいる人は脂肪以外の他の臓器にも)に蓄積しているプーファが、不可避にストレスを契機として放出されるからです。これを「リポリシス」と呼び、このときに一時的に調子が悪くなったり、症状が再発したりします。

 

これは、悪くなっているのではなく、右肩上がりに良くなっていく経過の中で一時的に下がっている状態にすぎません。この再発のような経験は、プーファの排出と共に時間経過で徐々に頻度および程度が軽減していきます。

長年かかって慢性病の素地を作ってきたのですから、それが数ヶ月程度で完全に治ることなどあり得ません。

 

数年かけてじっくりプーファを排出し、リポリシスおよびメタボリック・スイッチを抑えることで完治が見えてくるのです。

このリアルサイエンスの基礎を理解すると、皆さんもちょっとした症状のアップダウンでブレることはなくなります。

糖から脂肪へのメタボリック・スイッチが病の原因であれば、その反対へスイッチすれば良いのです。

 

この基本的な生命の仕組みを理解したら、なるべく早く脂肪から糖へのメタボリック・スイッチに取り組んでください。もちろん、持病をお持ちでない方も心身の健全性がより向上していきます。

 

「ニュー・ノーマル」と喧伝される新奴隷制度では、私たちの心身の不調は悪化の一途を辿り、生命の燈(ともしび)が消滅しようとしています。

今こそ、リアルサイエンスを見つめ直して、それを基礎にした新しい世界を構築しなければ取り返しがつきません。既成の概念からまずは抜け出して、ゼロベースで生命の燈(ともしび)をもう一度照らしましょう。

 


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