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『悪玉コレステロールが生命にとって必須の理由〜オメガ3神話をやめると病は治る』

 

悪玉コレステロールと汚名を着せられているLDLコレステロールは、細胞や組織の構造の安定化に必須の物質でした。

 

特に脳神経系では、LDLコレステロールの需要が他の組織よりも高いため、LDLコレステロールが低下すると脳の構造および機能が低下します(Low Cholesterol Level Linked to Reduced Semantic Fluency Performance and Reduced Gray Matter Volume in the Medial Temporal Lobe. Front Aging Neurosci. 2020 Mar 31;12:57)(Serum Cholesterol and Incident Alzheimer’s Disease: Findings from the Adult Changes in Thought Study. J Am Geriatr Soc. 2018 Dec; 66(12): 2344–2352)。

 

それ以外にもLDLコレステロールには生命体にとって欠かすことのできない重要な働きがあります。

 

 

さて、新型コロナ詐欺でよく医学論文に、ビタミンDの血液濃度が低下すると新型コロナなる病態が重症化するというものが掲載されています(Notable Developments for Vitamin D Amid the COVID-19 Pandemic, but Caution Warranted Overall: A Narrative Review. Nutrients. 2021 Mar; 13(3): 740)。

 

LDLコレステロールは感染症という病態に保護的に働くことをお伝えしました(Lipid levels are inversely associated with infectious and all-cause mortality: international MONDO study results. J Lipid Res. 2018 Aug;59(8):1519-1528)。

 

 

新型コロナなる病態でもLDLコレステロールが低値になっていることが指摘されています(Low Serum Cholesterol Level Among Patients with COVID-19 Infection in Wenzhou, China (February 21, 2020). Available at SSRN: https://ssrn.com/abstract=3544826 or http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.3544826)。

 

 

実は、新型コロナで話題になったビタミンDは、LDLコレステロールから体内産生されるものなのです。

 

つまり、悪玉コレステロールを退治(笑)すると、感染症なる病態に罹りやすくなるのです。

 

 

さらに、LDLコレステロールは、ビタミンD よりも重要なホルモンの原材料となります。

 

 

そのホルモンが、私たちをストレスから守る「保護ホルモン」と私が呼んでいる抗ストレスホルモンです。

 

「保護ホルモン」の代表が、プロゲステロン、プレグレノロン、DHEA、テストステロンです。

 

 

これらのホルモンは、エネルギー産生所であるミトコンドリアを活性化して、糖のエネルギー代謝を高める作用を持っています。

 

LDLコレステロールがヘビ毒やエンドトキシンのような毒性物質に効果があるのは、これらの保護ホルモンの原材料となるからです(LDLコレステロールそのものも抗ストレス作用がある)。

 

その他、LDLコレステロールは脂溶性ビタミンの吸収や毒性物質のデトックスとしても重要な胆汁の原材料にもなります。

 

このように私たち生命体にとってLDLコレステロールは必須の物質であり、プーファが分解されてコレステロール合成にリサイクルされるのは当然なのです(^_−)−☆。

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