『オメガ3は必須脂肪酸ではない(その1)〜オメガ3神話をやめると病は治る』

現代医学や栄養学では、「必須栄養素」という概念を持ち出しています。

 

 

・欠乏すると障害が出る

・自分の体内で産生できない

 

という条件を必須と呼んでいますが、この時点で基本的な間違いを犯しています。

 

なぜなら、私たちは自分たちの体内で必要のない(過剰にあるとむしろ毒性が出る)ものは、産生しないからです。

 

 

これをもって、「体内で産生できない」という表現を用いるのは適切ではありません。

 

 

また欠乏すると障害が出るのは、私たちが体内で産生できるものであっても無数にあります。

 

 

糖はその代表です。

 

「必須栄養素」という概念があいまいで、かつ意図的に操作されていることは、オメガ3が必須脂肪酸であるという主張(確固たるエビデンスに乏しい)によく現れています。

 

 

それでは、オメガ3を含めたプーファが本当に必須栄養素なのかを見ていきましょう。

 

 

オメガ3を含めたプーファが、「必須脂肪酸」であるという創作をおこなったのは、1929年のジョージ・バー(George Burr)という人物です。

 

彼はラットに脂肪フリーの食事を与えて、皮膚炎や成長障害が起こることを発見しました(A New Defciency Disease Produced by the Rigid Exclusion of Fat from the Diet. J Biol. Chem. 82, 82:345-67, 1929)(On the Nature and Role of the Fatty Acids Essential in Nutrition. J. Biol. Chem. 1930 86, 587–621)。

 

 

 

リノール酸(植物油脂、オメガ6)、リノレイン酸(亜麻仁油、オメガ3)を投与すると、このラットの皮膚炎が消失したころから、この2つのプーファを必須脂肪酸(Essential fatty acids)と呼んだのです。

 

 

当時は必須脂肪酸と定義されたプーファは、レノール酸(植物油脂)、リノレイン酸(亜麻仁油)でした(私の学生時代の生化学の教科書にも同様の記載があったことを記憶しています)。

 

 

後にアラキドン酸(リノール酸の代謝脂質)とDHA(リノレイン酸の代謝脂質)こそが必須脂肪酸だという過激な(さらにエビデンスに乏しい)仮説も提唱されました(The essentiality of arachidonic acid and docosahexaenoic acid. Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2009 Aug-Sep; 81(2-3): 165–170)。

 

近年でもまだプーファが必須脂肪酸であると主張している“太鼓持ち”が後を絶ちません。

 

 

しかし、1934年および1940年にバーが必須脂肪酸欠乏によってラットに引き起こした皮膚炎は、ビタミンB6欠乏で起こることが確認されています(Irradiated Vitamin B Complex and Dermatitis: One Figure. The Journal of Nutrition, Volume 8, Issue 4, October 1934, Pages 385–396, https://doi.org/10.1093/jn/8.4.385)(Essential fatty acids, vitamin B6, and other factors in the cure of rat acrodynia. J. Biol. Chem. 1940 132: 539-551)。

 

 

必須脂肪酸欠乏の食事でラットに引き起こされた皮膚炎は、ビタミンB6以外にも亜鉛、ビタミンCや他のビタミンB群の欠乏でも発生します(Essential Fatty Acid Deficiency. PRACTICAL GASTROENTEROLOGY • JUNE 2017)。

 

もっとも、1929年当時は、まだビタミンの分類さえままならない時代でした(抗神経炎のビタミンB1と成長因子のビタミンB2くらいの分類しかなかった)。

 

 

したがって、バーが、自分の実験で何の物質が欠乏あるいは毒性を持っていたのかを理解できなかったのは仕方がない面があります。

 

 

さらにビタミンB6欠乏によって、バーたちの実験結果の成長障害も起こることが確かめられました(Biochemical Effects of Vitamin B6 Deficiency.  Nutrition Reviews, Volume 12, Issue 6, June 1954, Pages 186–187, https://doi.org/10.1111/j.1753-4887.1954.tb03274.x)。

 

 

1930および1931年に立て続けにファットフリーで皮膚炎を引き起こしたラットにタラの肝油(EPA,DHA)を与えた実験では、皮膚炎を治癒させることができなかったことが報告されました(Some Observations on the Growth of Rats on “Fat-Free” and Fat-Containing Diets. Proc. Soc. Exptl. Biol. Med., 27, 1059-1062 (1930))(Observations on the Nutritive Value of Certain Fats.Proc. Sot’. Exptl. Biol. Med., 28, 756-758 (1931).)。

 

これで慌てたバー自身も、ファットフリーで皮膚炎を引き起こしたラットにタラの肝油(EPA,DHA)を与えた実験を行いましたが、やはり皮膚炎を治癒させることはできませんでした(On the Nutritive Value of Certain Oils. Proc. Soc. Exp Biol. Med., 28, 905-907 (1931))。

 

つまり、自分が主張した実験結果を再現できなかったのです(^_−)−☆。

 

 

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