オメガ3の免疫抑制(免疫廃絶)作用について、さらに詳しくお伝えしていきます。
オメガ3の食作用(形態形成維持の要)ブロック作用は、エイズに代表される免疫抑制をもたらすことをお伝えしました。
オメガ3の長期摂取によって、風邪(体調不良、易疲労)をひきやすくなるということです。
このエビデンスに対して慌てた現代医学は、オメガ3はむしろ白血球の食作用を高めると言い始めました。
これには、カラクリがあります。
私たちは、この機能を失った細胞の材料を“ゴミ”として認識します。
その中心的役割が白血球であり、その食作用でゴミを回収し、それを分解して排出します。
ここまでつつがなく完了してはじめて、形態形成維持の食作用といいます。
ここで一つ問題があります。
それは、現代社会で生きる私たちが体内で発生させるゴミは、今までにないやっかいなゴミになっているという事実です。
そのやっかいなゴミというのは、白血球が取り込んだとしても、それを消化・分解できずに蓄積し、やがて白血球自体が死滅してしまうような毒性の高いゴミです。
この毒性の高いゴミは、白血球(そしてその従属するリンパ球も巻き込む)に過剰な炎症を引き起こします。
これを専門用語で「免疫原性(immunogenic)」という言葉を用いていますが、これも意味不明なまやかしです。
正しくは、あらゆる病態を作る結果となる“炎症”を引き起こすゴミと表現しなければいけません。
私はこのような毒性の高いゴミをより実態に沿った言葉を選んで「炎症ゴミ」と呼んでいます。
オメガ3は容易に酸化されやすいプーファですが、その際にMDAやアクロレインなどの猛毒の過酸化脂質を大量発生させるエビデンスをご紹介してきました。
これらのオメガ3から発生する大量の過酸化脂質は、タンパク質やDNAと結合して変性させます。
この毒性の高い「炎症ゴミ」の代表が、これらのオメガ3の過酸化脂質と結合したタンパク質やDNAなどの変性物質なのです(Malondialdehyde-Acetaldehyde Modified (MAA) Proteins Differentially Effect the Inflammatory Response in Macrophage, Endothelial Cells and Animal Models of Cardiovascular Disease.Int J Mol Sci. 2021 Nov 30;22(23):12948)(Immunogenic and inflammatory responses to citrullinated proteins are enhanced following modification with malondialdehyde-acetaldehyde adducts.Int Immunopharmacol. 2020 Jun;83:106433)(Aldehyde-modified proteins as mediators of early inflammation in atherosclerotic disease. Free Radic Biol Med. 2015 Dec;89:409-18)(Soluble proteins modified with acetaldehyde and malondialdehyde are immunogenic in the absence of adjuvant. Alcohol Clin Exp Res. 1998 Nov;22(8):1731-9)(Oxidative stress and its biomarkers in systemic lupus erythematosus. J Biomed Sci. 2014 Mar 17;21(1):23)(Innate sensing of oxidation-specific epitopes in health and disease. Nat Rev Immunol. 2016 Aug;16(8):485-97)。
これらの炎症ゴミは、白血球を過剰に刺激して、一旦は白血球内に取り込まれます。
しかし、その炎症ゴミの毒性のために、分解することができずに、白血球内に蓄積していきます。
やがて、白血球の過剰興奮による炎症の拡大から白血球の死滅につながっていきます。
現代医学は、この白血球の最初の炎症ゴミの取り込みのフェーズだけを見て、「オメガ3は食作用を高める」とのたまわっているのです。
ちなみに、オメガ3だけでなく、水銀などの重金属、エンドトキシン(内毒素)などアジュバントとしてワクチンに入れ込まれている猛毒物質も、白血球を過剰に刺激して一旦は白血球内に取り込まれます。
オメガ3の過酸化脂質自体が、白血球内でゴミを消化・分解する酵素や物質をブロックするため、炎症ゴミの分解が不可能になります(タンパク質にオメガ3の過酸化脂質が結合して変性させる)(Increased formation and degradation of malondialdehyde-modified proteins under conditions of peroxidative stress. Lipids. 1995 Oct;30(10):963-6)(Protein oxidation and degradation during postmitotic senescence. Free Radic Biol Med. 2005 Nov 1;39(9):1208-15)(Oxidative modification of proteasome: identification of an oxidation-sensitive subunit in 26 S proteasome. Biochemistry. 2005 Oct 25;44(42):13893-901)(Proteasome inhibition by chronic oxidative stress in human trabecular meshwork cells. Biochem Biophys Res Commun. 2003 Aug 22;308(2):346-52)(-Hydroxy-2-nonenal-mediated impairment of intracellular proteolysis during oxidative stress. Identification of proteasomes as target molecules. J Biol Chem. 1999 Aug 20;274(34):23787-93)(4-Hydroxynonenal-modified amyloid-beta peptide inhibits the proteasome: possible importance in Alzheimer’s disease. Cell Mol Life Sci. 2000 Nov;57(12):1802-9)。
これを「免疫が活性化した」、あるいは「白血球の食作用がアップした」とは間違っても言えません(専門家や悪意のある人間以外は間違えないと思います(^_−)−☆)。
さらには、炎症ゴミが蓄積すると、細胞内の小胞体というタンパク質の維持機能(この小器官がやられると、さらに炎症ゴミが蓄積する(^_−)−☆)を持っている器官にストレス(小胞体ストレス)がかかり、ミトコンドリア障害、活性酸素の過剰発生へと進展します(Foam Cells as Therapeutic Targets in Atherosclerosis with a Focus on the Regulatory Roles of Non-Coding RNAs. Int J Mol Sci. 2021 Mar; 22(5): 2529)。
小胞体ストレスによる異常タンパク質の蓄積は、狂牛病などのプリオン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、糖尿病などに代表される疾患の特徴ですが、あらゆる慢性病で認められる共通因子です。
ちなみに、小胞体ストレスの最大の原因も、オメガ3などのプーファから発生する過酸化脂質です(Oxidized lipids activate autophagy in a JNK-dependent manner by stimulating the endoplasmic reticulum stress response. Redox Biol. 2013 Jan 26;1(1):56-64)(Oxidative and endoplasmic reticulum stress in tuberculous meningitis related seizures. Epilepsy Res. 2019 Oct;156:106160)(NFκB/Orai1 Facilitates Endoplasmic Reticulum Stress by Oxidative Stress in the Pathogenesis of Non-alcoholic Fatty Liver Disease. Front Cell Dev Biol. 2019 Oct 2;7:202)(Lipid peroxidation product 4-hydroxy-trans-2-nonenal causes endothelial activation by inducing endoplasmic reticulum stress. J Biol Chem. 2012 Mar 30;287(14):11398-409)(ER Stress Sensor XBP1 Controls Anti-tumor Immunity by Disrupting Dendritic Cell Homeostasis. Cell. 2015 Jun 18;161(7):1527-38)(Phosphatidylethanolamines modified by γ-ketoaldehyde (γKA) induce endoplasmic reticulum stress and endothelial activation. J Biol Chem. 2011 May 20;286(20):18170-80)。
したがって、取り込んだ炎症ゴミが白血球内に蓄積する一方で、周囲のリンパ球まで動員して炎症が拡大していきます(やがて新型コロナでも有名になったサイトカイン・ストームを引き起こす)。
やがて白血球は泡沫細胞(foam cell)となって死滅していきます。
みなさんにも、動脈硬化の血管の壁の顕微鏡図を見ていただきたいと思います。
動脈硬化の血管の壁には無数の白血球が泡沫細胞(foam cell)となって死滅した残骸が認められます(Inflammatory Cells in Atherosclerosis. Antioxidants (Basel). 2022 Feb; 11(2): 233)( Mechanisms of foam cell formation in atherosclerosis. J Mol Med (Berl). 2017 Nov;95(11):1153-1165)( Mitochondrial Transplantation Enhances Phagocytic Function and Decreases Lipid Accumulation in Foam Cell Macrophages.Biomedicines. 2022 Jan 30;10(2):329)。
これらの白血球は、オメガ3から発生するMDAやアクロレインなどで変性したタンパク質やLDLコレステロールなどの物質を取り込んだ後に、それを処理できずに死滅したのです。
以上から、オメガ3が食作用を高めるというのは、全体像が見えてない現代のサイエンスの典型的な近視眼的な視点でしかありません。
ゴミを取り込んで、そのゴミを分解・処理できてはじめて「食作用が完了した」というのです。
オメガ3は、このゴミの分解・処理をブロックすることで、私たちがいつまでも炎症ゴミを処理することができなくなります。
炎症ゴミが処理できない状態。
これは、現代医学や一般健康ポップカルチャーの言うところの「免疫抑制」そのものに他なりません。
やがて、蓄積した炎症ゴミは何らかのストレスがきっかけとなって、制御不能の炎症を引き起こす結果に終わります。
したがって、オメガ3は最終的には制御不能の炎症を引き起こすため、「抗炎症」ではなく、「免疫抑制=炎症ゴミの蓄積」状態を招く危険な物質であることを再認識しておきましょう。