「顔は口ほどに物を言う」ということわざがあります。
あなたの人間性が人相に現れるという意味です。
また、その逆に「顔は口ほどに嘘をつく」というポール・エクマンの本が一時はやりました。
これは、相手の本当の気持ちを表情から判断するという「表情分析」という技術を伝えたものです。
「愛想笑い」などの言葉にも見られるように、相手にみせる表情は必ずしも額面通りに受け取ることがはできません。
私も、エクマンの弟子であるデヴィット・マツモト氏に師事を仰いでこの表情分析をトレーニングしました。
リアルサイエンスでは、「顔が物語ること」に対してさらに深淵な意味を持つことが報告されています。
2017年には、男性の顔の魅力(muscular appearance)が高いほど、炎症反応が強くて健康という傾向があることが報告されています(Facial appearance reveals immunity in African men. Sci Rep. 2017; 7: 7443)。
この研究では、痩せこけた顔の男性ほど、炎症反応も弱く、健康状態も優れない傾向が示されています。
ちなみに、現代人の顔は浮腫んでいる人が多く、これは痩せこけている(筋肉がない)ところに水分が貯留しているだけで、さらに健康状態が優れない状態を示しています。
いわゆる「権威を使ってより弱いものに対する攻撃性が高まっている」サイコパスは、この痩せこけているか、浮腫んだ顔貌をしているという特徴があります。
たしかに現代人のほとんどは、「免疫抑制」状態で、炎症反応すら起こせない冬眠状態ですから、炎症が起こる方がまだマシとは言えます。
最新の研究では、魅力的な顔は、免疫(形態形成維持)と呼ばれる作用の要である白血球の能力(ゴミ掃除)が高い傾向になることが示されました(More than just a pretty face? The relationship between immune function and perceived facial attractiveness. Proc Biol Sci. 2022 Feb 23;289(1969):20212476)。
白血球の食作用(ゴミ掃除能力)こそは、免疫と呼ばれるものの本質で、糖のエネルギー代謝の指標です。
この研究での、「魅力的な顔」とは、
・皮膚の色がくすんでいない、クリアーである
・頬骨がしっかりとしている
・顔の左右が対称である
・目が輝いている
・唇の血色が良い(赤色をしている)
といった歴史的な魅力ある顔貌を条件としたようです。
実際、糖のエネルギー代謝によって、顔貌は変化します。
「顔で人を選ぶな」と言いますが、これは必ずしも悪いことではありません。
とくにパートナー選びでは、何より相手が健康であることが必須条件です。
お金を持っていても、世界経済フォーラムに集う人たちや美容整形で元の顔がわからなくなった人たちのように心身が不健全な人が山ほどいます。
残念ながら、ニューノーマルではマスク強制のため、人々の表情がみえませんが、顔はあなたの糖のエネルギー代謝を表現しているのです。
本当は顔の魅力ある人ほど、健康だということです。