肥満や糖尿病が新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクになるというエビデンスを過去記事でもお伝えしてきました。
新型コロナウイルス感染症でもビタミンD濃度の低下が重症化に関与しているという研究が複数報告されています(J Glob Antimicrob Resist. 2020 Sep; 22: 133–134)(Maturitas. 2020 Oct;140:24-26)(PLoS Pathog. 2020 Sep; 16(9): e1008874)。
肥満や糖尿病でも同じくビタミンD濃度の低下が認められています(Clin Med (Lond). 2020 Jul; 20(4): e107–e108)。
このビタミンD濃度の低下が新型コロナだけでなく、あらゆる感染症と呼ばれる病態に認められる現象です。
さて、ファスティング(断食)は糖尿病と同じ状態を体に作り出す手っ取り早い方法であることをお伝えしてきました。
それでは、ファスティングとビタミンDの関係はどうなっているのでしょうか?
ファスティングでは、ストレスホルモンであるコルチゾール、エストロゲンなどが増産されます。
このコルチゾールおよびエストロゲンによって、ビタミンDの産生が著しく低下さらに分解が進むことが報告されています(Diabetes 2019 May; 68(5): 918-931)。
12時間のファスティングで50% 、24時間のファスティングで完全にビタミンDの産生が止まるだけでなく、分解が始まります。
逆に、ビタミンDはコルチゾールやエストロゲンの作用をブロックします。
夏場に感染症と呼ばれる病態や慢性病が少ないのは、太陽光の暴露によって、ビタミンDの体内産生が冬場より高まることが一つの理由です。
これによって、ファスティングでも上昇するストレスホルモンが減少するからです。
厳格に糖質制限をすると風邪を引きやすくなるのも、ファスティングと同じ原理(糖が利用できないことで起こるストレスホルモン上昇)です。
したがって、PCR検査前には、しっかり糖質を補給しておくことが大切です(^_−)−☆。