今回の新型コロナウイルス感染症の臨床症状(6つくらいのパターンがあるとされています)に共通して認められるものとして、嗅覚障害があげられています(BMJ 2020; 370)。
感冒症状があって嗅覚障害があれば、医師たちは新型コロナウイルス感染症を想定するということです。
臨床症状は、確かにPCRや抗体検査よりもはるかに信頼の置けるものには違いありません(PCRや抗体検査は、因果関係を証明できない!)。
しかし、感冒症状は、他のバクテリアや毒性物質(塩素など)でも起こります。
そして、新型コロナウイルス感染症でクローズアップされた嗅覚障害については、基礎医学シリーズでもお伝えしたようにアルツハイマーやパーキンソン病の初期症状でもあります。
さらに最新の研究で、バクテリアのエンドトキシン(内毒素)の吸引でも嗅覚障害が発生することが、マウスの実験で確かめられました(Brain Pathology 0 (2020) 1–17)。
環境中には、バクテリアも無数に浮遊していますが、そのバクテリアの構成成分であるエンドトキシンも浮遊しています。
これを吸い込むことで、鼻腔から嗅覚を束ねている嗅球(olfactory bulb)に強い炎症が起こることで嗅覚障害が発生するのです。
おそらく毒性の強い消毒薬でも同じことが起こるでしょう。
さらに、この研究で突き止められたのは、このエンドトキシンの吸引で起こった炎症は、他の脳の部位(中脳の黒質)にも波及し、パーキンソン病の原因になったということです。
パレオ協会のニュースレター等でも再三お伝えしていますが、小腸のバクテリア増殖によって発生した腸内のエンドトキシンは、腸から全身へ炎症を拡大させ、感冒症状を引き起こします。
このように嗅覚障害、感冒症状というのは、ウイルス(存在が証明されていない)感染に特徴的なのではありません。
感冒症状、嗅覚障害があったときには、むしろ便秘、プレバイオ・プロバイオ、消化に悪い食物繊維の慢性摂取や毒性物質への暴露を疑わないといけないのです(^_−)−☆。