日本では、なんと新型コロナウイルスに対する大阪府知事の発言でヨウ素系うがい薬の購入を求める人たちが薬局やドラッグストアに殺到したと聞きました。
サイエンスのど素人の政治屋の発言でも何でも良いということですね。
日本の大衆の劣化スピードは想像以上のものです。
イソジン消毒についてリアルサイエンスで見ていきましょう。
イソジンの主成分(細胞毒性の中心)は、ヨード剤(iodine)です。
ヨードは、甲状腺ホルモンの原材料となるため、ごく微量必要となります。
1日の推奨摂取量は、150 μg程度で、成人でも1100 μg(1.1mg)を超えると甲状腺障害(甲状腺炎、橋本病、甲状腺がん)を引き起こします(Guidelines by the US Institute of Medicine)(Endocrinol Metab (Seoul). 2014 Sep; 29(3): 240–247)(Curr Opin Endocrinol Diabetes Obes. 2012 Oct; 19(5): 414–419)。
ヨードは少しでも過量になると、プーファと同じアルデヒド化して、甲状腺に強い炎症を引き起こすのです。
日本では、なぜかヨウ素摂取量の上限は1日当たり3mgとなっています(日本人が元気のない理由(^_−)−☆)。
これは、ワカメを食べる習慣のある民族であるかも知れません。
さて、イソジンうがい液のヨード量はどのくらいあるのでしょうか?
ヨウ素系うがい薬には7%のポビドンヨードが含まれています。
15~30倍程度の希釈後の1回量に含まれるヨウ素は14~28mg。
この量は、甲状腺障害を引き起こすには十分なヨード量です。
しかも、ガイドラインにあるヨードの上限量は食品から経口摂取した場合の話です。
イソジン消毒は、口腔、咽頭粘膜から血管内にダイレクトに吸収されるため、経口摂取の場合より、上限量を低く設定しないといけないのです。
ヨードは、ワカメやケルプに豊富に含まれています。
現代人は、アンデスやメキシコなどの標高の住民以外はヨード不足になることはありません。
このような大量のヨード剤をしかも粘膜を通じて、ダイレクトに血液内に入れる訳ですから、糖のエネルギー代謝が完全にストップしてしまいます。
イソジン消毒は、次亜塩素酸などの塩素系やフッ素系の毒物とも引けを取らない甚大な毒性を持っていることは、周期表を眺めればよく理解できます。
消毒という行為そのものが百害あって一利なし(迷信の仮説に成り立っている)ということを次の著作でしっかりお伝えしていきたいと思います(^_−)−☆。