車に乗る時間が長い程、癌などのリスクが高まる・・・・
これは、車の排気ガスが室内に入ることが主因と考えられてきました(もちろん渋滞によるストレスもあります)。
しかし、外からではなく、車内から発生する発がん物質がその原因になることに警鐘を鳴らす研究が報告されています(Environment International, 2020; 136: 105499)。
車の座席などに使用されている衝撃吸収材(かつ難燃剤)には、有機リン酸系農薬と有機塩素系農薬を足したような塩素化有機リン酸塩が使用されています。
この塩素化有機リン酸塩であるトリスリン酸塩(
Tris(1,3-dichloroisopropyl)phosphate (TDCPP))は、車内に居る時間が長い程、暴露が増加する、つまり肺から吸い込むことが分かりました。
すでに塩素化有機リン酸塩は、発ガン、奇形、不妊を引き起こすことが分かっています。
この塩素化有機リン酸塩も、水道水を汚染しているフッ素系化合物であるピーファス(PFAS)と同じく、環境中で極めて分解が難しい“永遠の環境汚染物質”です。
フッ素と塩素はいずれも、ハロゲンという生命体にとっては、猛毒になる元素です。
車を運転するのが職業の人はもちろんのこと、車の通勤時間が長い人は、車の内外からの汚染にさらされていることを自覚した方が良いでしょう。
こういった永遠の環境汚染物資を大量生産する多国籍企業(特許を持っていて、発展途上国の工場で増産)の横暴を許す自由貿易を疑ってかかる必要があります。