よく当直や救急業務で遭遇する症状(主訴)があります。
それは「眩暈(めまい)」。
めまいで一番多いタイプが「天井を見るとグルグル目が回る」ものです。
実際にその人の目を見ると、眼球が回転しています・・・・
その原因の大半が平衡感覚を司る内耳にある耳石(otoliths)の問題です。
この状態を「良性発作性頭位変換めまい(Benign paroxysmal positional vertigo (BPPV))」と言います。
頭を動かすと目が回るという症状です。
現代医学では原因不明として、対処療法に徹しています。
最新の研究で、なんとこの“回転性めまい”は、糖のエネルギー代謝の低下によって起こることが報告されました(Med Hypotheses. 2019 Oct 21;134:109445)。
私たちの骨格は、まずは二酸化炭素とカルシウムが結合することで作られます。
これを「炭酸カルシウム(calcium carbonate)」と言います。
その後、炭酸がリンと入れ替わることで「リン酸カルシウム(calcium phosphate)」になります。
平衡感覚を司る耳石は、「炭酸カルシウム(calcium carbonate)」で構成されています。
実は、この「炭酸カルシウム(calcium carbonate)」。
酸に弱く、すぐに溶けてしまいます。
私たちは、糖のエネルギー代謝がブロックされると、乳酸という酸が血液中に蓄積し始めます。
この乳酸によって、耳石が溶かされてしまうのです。
したがって、ストレスの高い夜に乳酸が血液中に蓄積するリスクが高いために、朝方に耳石が溶かされることで、めまい発作が起こるのです。
糖尿病やがんの人に、めまい発作が多いのも、高乳酸血症だからです。
骨格が最終的に「リン酸カルシウム(calcium phosphate)」に変換されているのも、この糖のエネルギー代謝がブロックされて乳酸が蓄積することで、溶かされることから防ぐためです。
それではなぜ耳石は「リン酸カルシウム(calcium phosphate)」ではないのでしょうか?
それは、耳石が溶かされることで起こる症状によって、体内で起こっている異常(糖のエネルギー代謝のブロック)に私たちの意識を向けさせるためだったのです。
これでもう「良性発作性頭位変換めまい(BPPV)」の根本治療はわかりましたよね(^_−)−☆。