日本では、発酵食が健康食のように語られています。
私もよく発酵食についての意見を聞かれます。
基本的に、冬場などに食料が少ない時にストックとして置いておく保存食の意味合いでしかありません。
フレッシュな食べ物があれば、保存食である発酵食を食べる必要がないからです。
それが食料を長期間保存することは、リスクが伴うからです。
そのリスク軽減のために、発酵という手段が用いられているだけで、リスクが完全に除去される訳でもありません。
さて、発酵の中でも、もっとも危険なのが乳酸発酵です。
これまで乳酸の多岐にわたる危険性についてお伝えしてきましたが、最新の研究でも癌発生・増殖のシグナルを加速させる作用があることが乳がん細胞の実験で判明しています(Front Oncol. 2019; 9: 1536)。
乳酸は、細胞内を還元状態(アルカリ性)にするという最も危険な作用を持っています。
今回は、それ以外にもダイレクトに正常細胞をがん化させる作用を持つ代謝産物(oncometabolite)ということが判明しています。
危険なののは、体内で代謝されて産生される乳酸だけではありません。
乳酸菌の過剰増殖による腸内発生の乳酸や乳酸製剤も癌を発生・増殖させる作用があります。
拙著『慢性病は現代食から』にも詳述しましたが、乳酸菌の過剰増殖で、関節リウマチやSLEが引き起こされます。
米国では、乳酸の危険性と訴訟問題から、違う理由(乳酸が肝臓機能障害を与える)で乳酸入りの点滴を他のものに変えています。
しかし、日本では脱水の点滴に、まだ乳酸入りの溶液(乳酸リンゲル)を使用しています。
スーパーに行けば、「乳酸入りの〜」「乳酸菌入り〜」といった商品が並んでいます。
乳酸発酵食や乳酸(菌)は健康に良いどころか、生命のフローを止めてしまう危険性があることを再確認しておきましょう。