運動の種類に気をつけないと、糖質制限、ケトン食、ファスティングなどと同じ生命体にとって悪影響を及ぼすことをお伝えしてきました。
具体的には長時間の運動は、セロトニン、エストロゲン、一酸化窒素(NO)、エンドトキシンなどストレス物質の上昇を来します。
これによって、全身疲労だけでなく、脳も疲労する中枢性疲労が起こります。
さて、運動の強度と、この中枢性疲労の原因となるセロトニンの産生量が比例するとい貴重な臨床実験が報告されています(Eur J Appl Physiol. 2016 Oct;116(10):2025-34)。
運動の強度を最大心拍数の45–50 %の低強度、65–70 %の中強度、85–90 %の高強度の3つに分類しています。
臨床実験で、運動強度が高まるほど、血液中のセロトニン濃度が高まることが分かりました。
なぜセロトニン濃度が高まるのでしょうか?
運動強度が高まると、低血糖になります。
そうすると、血糖を回復すべく、糖のストックであるグリコーゲンを分解しますが、やがてそれも枯渇します。
その後、起こることは・・・・・
皆さんの脂肪を分解し始めます。
これをリポリシスと言います。
現代人は、リポリシスによってプーファが遊離脂肪酸として血液中に放出されます。
これによって、セロトニンの元になるトリプトファンと結合するアルブミンがプーファによって、引き離されます。
プーファがアルブミンと結合して、フリーのトリプトファンが脳に取り込まれるようになるのです。
これによって、脳でのセロトニン産生量がアップします。
これで脳の疲れが起こります。
全身でも同じことが起こり、セロトニンの血液濃度がアップします。
運動強度が高いものは、マラソン、遠泳、エアロビなどの長時間の有酸素運動がその代表です。
セロトニンが大量に産生される状態は、生命の危機です。完全に糖のエネルギー代謝がブロックされます。
このようにサイエンスの基礎から、適切な運動、身体の動かし方が見えてきます(^_−)−☆。