出自が良くないと、その人の行動様式や仕草に現れる・・・・
あなたの才能、行動様式、身体的特徴、病気のなりやすさなどは、あなたの生まれ、体質、あるいは遺伝子によって決まっている・・・・
一見、この様な「遺伝子決定論」はサイエンスかのように錯覚させられています。
権力者たちの優生思想、変形キリスト教思想(predestination)に基づいた「遺伝子決定論」というファンタジーが、遺伝子研究者(geneticist)から異議を唱えられることとなりました。
まさに飼い犬に噛まれたという形ですね(^_−)−☆。
最新の研究で、慢性病の発症リスクの予測で、遺伝子解析はほとんど役に立たないことが報告されました(PLoS One. 2019 Dec 5;14(12):e0220215)。
遺伝子研究で飯を食っている研究者でさえ、慢性病の遺伝子の関与は多く見積もっても“5%以下”という結論を遺伝子解析(genome-wide association studies)から結論づけています。
ということは、慢性病の95%以上は、環境によって引き起こされるということです。
何度も繰り返し述べますが、私たちは“遺伝子の囚人”ではありません。
それでは、なぜ一見出自や生育環境がその人の行動様式を決定しているように見えるのでしょうか?
それは、先祖が受けた環境の影響こそが遺伝する現象(epigenetics)があるからです。
基礎医学『エネルギー代謝と遺伝子』でお伝えしいますが、このような先祖の環境遺伝は、線虫の研究では、少なくとも14世代まで続くことが分かっています(Science. 2017 Apr 21;356(6335):320-323)。
ヒトでは、まだここ数十年の研究が開始されたばかりで、今のところ3世代は確実に環境遺伝することが分かっています。
みなさんが、何を食べ、どのような生活習慣を送っているか、あるいはどのような環境暴露にあるのかが、子々孫々と伝わっていくのです。