約100年前に、あのヨーロッパの銀行家一族のワーバーグ家の一人の男(Otto Warburg)がガンの特徴を突き止めました。
それは、糖のエネルギー代謝(完全燃焼)がブロックされることで、乳酸が蓄積することです。
彼はこの業績でノーベル賞を受賞しています。
それ以降、現代医学では、あたかも乳酸はがんの廃棄物であるかのように取り扱ってきました。
しかし、ようやく近年になって、乳酸そのものがガンを増殖させるエサになることが分かってきました。
さらに乳酸は、ガンを増殖させるための栄養を確保(新生血管増殖)する役割を持つことも報告されています。
最新の研究で、乳酸は変異した遺伝子を過剰に発現(タンパク質を作る)させることでガン(乳がん細胞)を増大させることが報告されました(Frontiers in Oncology, 2020; 9)。
通常の運動で発生する乳酸やフルクトース(果糖)から産生される乳酸は、筋肉組織のエネルギーとなって速やかに消費されます(拙著『自然治癒はハチミツから』)。
筋肉にガンができにくい理由は、乳酸を速やかに処理できるからです。
ところが、ガンから慢性的に発生する乳酸は、全身を循環してガンの発生(細胞のアルカリ・還元化)など様々な悪影響を及ぼします。
私は、この研究結果よりも、乳酸の最大の効果は、鉄、プーファ、コルチゾール、エストロゲン、抗酸化物質と同じ「免疫抑制作用」にあるとお伝えしています。
これらの物質は、形態形成維持をストップするため、生命場に炎症ゴミが蓄積し、それが自己免疫疾患、ガン、メタボリックシンドロームなどあらゆる慢性病を引き起こすことになります。
この辺りも拙著『新・免疫革命』に詳述しましたので、再度復習して頂ければ幸いです。