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『リンパ球減少は死亡リスクの指標!』

みなさんは、血液検査でリンパ球の項目をご覧になったことがあるでしょうか?

リンパ球には、B細胞、T細胞、そしてナチュラルキラー細胞があります。

リンパ球の著明な上昇は、リンパ種を疑いますが、それ以外の上昇ではストレス反応を考えます。

それよりも深刻なのは、逆にリンパ球が低下している場合です。

私は、15年ほど前に、歯科治療で一気にアマルガムを除去した時に、原因不明の高熱が2週間続いた経験をしました。

この時に、血液検査では白血球とともにリンパ球が著明に低下していました。

私が受診した大病院の内科医も、原因不明(いくつかのウイルス抗体が上昇していたのみ)ということでお手上げでした・・・・・

意識が次第に遠のき、「これが死ぬということなのか」と実感しました。

あれだけプーファ,エストロゲンおよび放射線(職業被曝)まみれだったのに、よく生き返ったと思います(当時は、治療として自分の開発したコラーゲンドリンクを飲んだだけでした。)

さて、最新の研究では、そのリンパ球の減少が死亡リスクの上昇と関連していることが報告されていました(JAMA Netw Open. 2019 Dec 2;2(12):e191652)。

男女3万1,178人のデータを後ろ向きに解析した疫学調査で、対象者の年齢中央値は45歳(30~63歳)。

赤血球の造血能の低下や炎症レベル(CRP)の上昇がある場合には、さらに死亡率リスクは三倍に跳ね上がる結果でした。

リンパ球の減少は、胸腺という形態形成維持の要の臓器にダメージがあるというサインです。

過去にもがん、糖質制限などコルチゾールが高くなる食事、アルコール中毒、薬剤(ステロイド、抗がん剤、ピル、モルヒネなど)、重症感染症、自己免疫疾患などで胸腺がダメージを受けて、リンパ球が減少することが報告されています(PLoS Med. 2018 Nov; 15(11): e1002685)。

その他、拙著『新・免疫革命』に詳述したように、プーファや大豆を過剰摂取した場合などエストロゲン過剰でも胸腺はダメージを受けてリンパ球が減少します(Am J Reprod Immunol. 1996 Nov;36(5):269-77)(Am J Reprod Immunol. 1997 May;37(5):384-90)(Dev Comp Immunol. 1988 Spring;12(2):375-83.)。

ケイ素(silica, SiO2)も リンパ球減少の原因物質として報告されています(Clin Exp Immunol. 2001 Dec;126(3):540-4)。

リンパ球の減少および機能低下は、ダイレクトに胸腺機能の低下を意味しています。

この胸腺機能は甲状腺機能と密接に関係があり、生理学的年齢(加齢)とも関係しています(拙著『新・免疫革命』)。

血液検査では、あまり有意義な指標がありませんが、リンパ球が著明に減少している場合はレッド・フラッグです。

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