東洋医学でも重宝されるニンニク。
しかし、生ニンニクを食べ過ぎると、胃腸が痛むだけでなく、イライラが募ったり、逆に代謝が低下したりすることを経験されたことはないでしょうか?
生ニンニクは、中国の研究者を中心に抗がん作用、抗炎症作用などポリフェノールと同じような作用が報告されています(Exp Ther Med. 2019 Mar; 17(3): 1523–1528)。
さて、生ニンニクのあの特有の匂いは、ニンニクの組織にダメージが加わった時に、ニンニク組織から放出される防御物質のアリシン(Allicin (diallyl thiosulfinate))のものです。
アリシンは、どうやって外敵からニンニクの防御役を果たすのでしょうか?
実は、アリシンは、アルデヒド、活性酸素・窒素種や重金属と同じく、タンパク質に結合して変性(Oxidation of protein thiols)させます(Antioxidants (Basel). 2017 Mar; 6(1): 1)(Free Radic Biol Med. 2019 Feb 1; 131: 144–153)。
特に細胞構造を作るタンパク質(tubulin, actinなど)や解糖系やデトックスで作用する酵素を変性させます。
これは当然、正常細胞に多大なダメージを与えます。
デットクスでは特に、脳においてセロトニンやカテコラミンを分解するモノアミンオキシデース(MAO-A&B)をブロックすることで、脳神経細胞を興奮させます(Indian J Pharmacol. 2008 Aug; 40(4): 175–179)。
さらに・・・・・・
アリシンは、ミトコンドリアを窒息させる一酸化窒素(NO)を誘導します(Int J Mol Sci. 2019 Aug; 20(15): 3627)(Clin Exp Pharmacol Physiol. 2002 Jan-Feb;29(1-2):84-91)(Malar J. 2012 Aug 8;11:268. doi: 10.1186/1475-2875-11-268)。
生ニンニクのアリシンの以上のような複合的な作用で、バクテリアやがん細胞に振り掛けると死滅作用はあることは間違い無いでしょう。
しかし、正常細胞にも多大は悪影響を及ぼします。
生ニンニクを食べ過ぎると、気分が悪くなるのは、正常な反応なのです(^_−)−☆。
アリシンなどのファイトケミカルは、加熱調理で作用が軽減されます。
ニンニクを食べるときは、加熱しましょう(^_−)−☆。