この国は面白いことをやりますね。。。。。
「ギャンブル中毒症(Gambling disorder , Gambling addiction )」という病名に対して、保険診療を認める方向で検討しているといいます。
もちろん、カジノを含む統合型リゾート(IR)の開業を可能とするIR実施法が昨年7月に成立したことを受けてのことです。
これまでもパチンコという日本特有のギャンブル中毒が蔓延していましたが、カジノ推奨ということでしょうか・・・・・・
そもそも「ギャンブル中毒症(GD)」という病気があるのでしょうか?
米国精神医学会(/製薬業界)による「精神疾患の分類と診断の手引第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition (DSM-5))によると・・・・・
このギャンブル中毒症(GD)は、「薬物依存症(Substance-Related and Addictive Disorders)」に組み入れられています。
つまり、ギャンブル中毒症(GD)という単独の病気がある訳ではなく、一般のアルコールや薬物中毒と同じ病態だということです。
薬物中毒の本質は、過去にも繰り返し述べていますが、根本にストレスがあることが原因です(Subst Abuse. 2013 Oct 13;7:171-83)(J Clin Invest. 2015 Aug 3;125(8):3193-7)。
一時、プロゴルファーのタイガーウッズが「セックス中毒(hypersexual disorder, sex addiction)」という診断名を受け、話題となりました。
これも同じくストレスが原因であることが報告されています(Psychoneuroendocrinology. 2016 Jan;63:247-53)。
コルチゾール、アドレナリン、セロトニンといったストレスホルモンが上昇することで、これらの一時的に低下させる目的で中毒に走るのです。
これらのストレスホルモンは、糖質制限などで引き起こされる低血糖でも放出されます(糖質制限と依存症の関係を調べると面白いかもしれません(^_−)−☆)。
孤独や自暴自棄も同じストレスホルモンが高まるため、中毒症になりやすくなります。
ギャンブルや薬物をやらない人には関係ない・・・・・
そうではありません。
私たちはストレスがたまると、無意識的にインターネットやゲームにはまります。
実は、ギャンブル中毒症(GD)は、youtubeなどのインターネットやゲーム中毒(problem gaming and problematic internet use)と関連していることが報告されるようになっています(J Addict. 2019; 2019: 1464858)(Addict Behav Rep. 2018 Aug 14;8:79-84)。
私もストレスが溜まっているときは、気がつくとyoutubeの関連動画を続けて見ていることがあります・・・・・・・
ギャンブル、薬物やインターネットは一時的な対処療法に過ぎません。
しかもこの対処療法は、現代医学の薬物治療と同じく、長期的にはさらに状態を悪化させていくものです。
このような状態にあるときは、糖質とミネラルを十分摂取して、体を動かし、睡眠をしっかり取ること。各種中毒症の治療はこれに勝るものはありません(^_−)−☆。