イチョウの葉エキス(Ginkgo biloba extract (GBE))について厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトには、以下の様にまとめています(2019年11月14日現在)。
(転載開始)
· いかなる健康状態についてであれ、イチョウが有用であるという決定的なエビデンスは存在しません。
· イチョウは、米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)が一部資金提供し、3000人以上の高齢者が登録した長期的イチョウの記憶への影響評価研究(the long-term Ginkgo Evaluation Memory Study)を含む臨床試験において、認知症または認知機能低下を予防または抑制しませんでした。
· イチョウが、健常者の記憶増強、血圧、間欠性跛行、耳鳴り、加齢黄斑変性症、心臓発作または脳卒中のリスク、または他の状態に有効であるという確固たるエビデンスはありません。
· 進行中のNCCIHが出資する研究は、イチョウに含まれる化合物が糖尿病に有効であるかどうかに着目しています。
(転載終了)
というネガティブな記載でした。
しかし・・・・・
実際に最新のイチョウの葉エキス(GBE)の脳そして認知機能に対する効果は動物実験および臨床試験共に認められているというデータしか見当たりませんでした(Oxid Med Cell Longev. 2019; 2019: 9695412)(Neurotherapeutics. 2019 Jul;16(3):666-674)(J Alzheimers Dis. 2015;43(2):589-603)。
イチョウの葉エキス(GBE)は、ミトコンドリアの機能を高め、一酸化窒素(NO)、エストロゲンの合成あるいは脂肪新生を抑えるので、リーキーガット、肥満や不眠だけでなく、ガンにも有効であることが報告されています(Molecules. 2019 Apr; 24(8): 1496)(Pharmacopsychiatry. 2001 Mar;34(2):50-9)(Food Funct. 2015 Feb;6(2):470-8.)(Front Endocrinol (Lausanne). 2019 May 10;10:284)(Front Pharmacol. 2019 Jun 14;10:686)。
イチョウの葉エキス(GBE)にはフラボノイドとよばれるファイトケミカルが複数混在しているので、中にはエストロゲン作用を持つものがあるはずです。
しかし、総合では逆にアロマテースという体内のエストロゲンの産生をアップさせる酵素をブロックすることで、エストロゲンを低下させるようです(Food Chem Toxicol. 2016 Jan;87:157-65)( Environ Health Toxicol. 2016 May 9;31:e2016010)。
私は基本的に大量生産のサプリメントでの形態では使用しませんが、汚染の少ないイチョウの葉からご自分で抽出したものをたまに摂取するのは良いかも知れません(抽出方法はご自分で調べてください(^_−)−☆)。
野菜(汚染が少ない)も葉物は食べずに茹でた汁を飲むと良いのと同じですね。
今回は私も当初は抽出物には副作用が少なからず伴うと考えていましたが、イチョウの葉に関しては、致命的な副作用はないようです。
ただし、どのようなもの過剰摂取は必ず副作用を伴いますのでご留意ください。