みなさんは、手足が冷たくないでしょうか?
手足が冷たい一つの理由に、血のめぐり(=血流)が悪いことが挙げられます。
さて、血栓(けっせん)という言葉がありますね。
血栓とは、血管が詰まることです。
血のめぐりが悪いと血管が詰まる、つまり血栓になる可能性があります。
脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞、深部静脈血栓など多臓器に分布する血管が詰まる可能性があります。
今まで鉄剤の危険性を基礎医学や健康常識パラダイムシフトシリーズで詳しくお伝えしていきました。
今回、最新の研究で、血液中の鉄が高いだけで、血栓傾向(血管が詰まりやすい)になり、脳梗塞(stroke)や深部静脈血栓症の原因になることが報告されました(Journal of the American Heart Association, 2019; 8 (15) )。
その他、血清鉄の高い人は、皮膚の感染症にもなりやすい傾向にありました。
この研究では、鉄は血流を低下させて血栓を作りやすくする作用があるとしています。
血流を低下させるというのは、血液がドロドロになるというイメージでよいのですが、・・・・・
具体的には、血管から血液成分が漏れ出る状態のことを言います。
これを「リーキーベッセル(血管漏出症候群)」と名付けています。
血管から血液成分が漏れると、血管の中を流れている血液量が低下します。これが血栓傾向を作り出すのです。
「リーキーベッセル(血管漏出症候群)」を引き起こすのは、プーファ、エストロゲン、セロトニンといった「シックネス・サブスタンス(病気の場を作る物質)」とお伝えしていきました。
ここに鉄も加わるということですね(^_-)-☆。
実は、鉄は血栓と正反対の出血を起こしやすくする物質でもあります。
傷口が出血したときに、いわゆる”かさぶた”(血餅)ができますよね。
鉄剤の投与によって、かさぶたを作る作用がブロック(cagulopathy)されるのです(Int J Mol Med. 2014 Feb;33(2):367-72)。
「リーキーベッセル(血管漏出症候群)」そのものが出血傾向ともいえるので、鉄その他のシックネス・サブスタンスは出血・血栓の両方を引き起こす可能性があるということです(^_-)-☆。