先日、空港で久ぶりに時間つぶしに本を買いました。
題名は『僕らはそれに抵抗できない「依存症ビジネスの作られ方」(irresistible)』。
内容がジャーナリストの書いたワンパターンの構成だったので、すぐに読了しました(本当にきちんと原書どおり翻訳しているのでしょうか・・・・・参考文献さえ掲載していません。。。。( ;∀;))
その中でもいくつか興味深い記述がありましたので、シェアしたいと思います。
ベトナム戦争では米国兵士(ほぼ全員が移民)が、高率にヘロイン中毒にかかっていました。ベトナムでこのジャンキーたちに、ヘロイン断ちをしても95%は再発します。
しかし・・・・・・・・
米国に帰還させて同じ治療をすると、なんと再発率が5%に低下したのです。
この本では、その説明として、ヘロインを使用する状況が再発を促すと書くのが精いっぱいのところでした。
再発率低下の理由をもっと正確に言うと、それは中毒症は環境因子が根本原因だということです。その環境因子をさらに正確に言うと、「ストレス」なのです。
米国に帰還して、ベトナムで経験していたストレス環境がなくなることで、ヘロインに手を出す必要がなくなったのです。
サイエンスを持ちだすのであれば、ここまで正確に書かないといけません。
肝心の「中毒症(addiction)」に対する医学的説明は、残念ながら通説(迷説)から一歩も出ることのない平凡なものでした(ジャーナリストが書いていたことを後から知りました。。。。(;^_^A)。
次に、「異性格付けサイト」というものがすでに稼働していたことは知りませんでした。もともとフェイスブックはこれと同じ性格のものであったことは知っていました。
これは中国で本格的に導入される国家による「人間格付け」の予備実験ですね。このことが良く分かりました(^_-)-☆。
あとは目を引く記述がほとんどありませんでした・・・・・
ゲーム、ギャンブル、恋愛、運動など様々な依存症もヘロイン、コカインと同じ病態生理メカニズムという点は、この本でも述べていました。
ただ、それをまたまた「ドーパミン」のせいにしているのは、旧態依然としています・・・・・・
私も今まで運動系の中毒症に何度かかかりました(^^♪。
このときには、コルチゾール、エンドルフィンというストレスホルモンが一時的にもたらす多幸感を得るために中毒になったのですが・・・・・
よく考えると、やはりストレスが根本にあり、そのストレス回避として中毒が”用意されている”ということが、今ではよく理解できます。
ストレスを回避するのではなく、解決するためには、自分と向き合わないといけません。
それができないために・・・・・
ゲーム、オンラインショップ、ギャンブル、恋愛、運動、アルコール、薬物といったものは、すべて”逃避先”になっているということです。
「自分と向き合う」という作業は、ヒトという種において最大の難関だと思います。
なぜなら、それには多大なエネルギーが必要とされるからです。
ストレス下ではそもそも糖のエネルギー代謝が低下しているので、自分に向き合うことができないのです。
このことを理解していると、あらゆる中毒症の根本治療は、もうお分かりになりましたよね(^_-)-☆。