みなさんは抗酸化物質と聞くと、健康に良いというイメージをお持ちになるのではないでしょうか?
ビタミンC,ポリフェノール、フラボノイド・・・・・
この抗酸化物質といわれるものをサプリのように慢性摂取するとどうなるかという興味深い研究が報告されています(J Biol Chem. 2019 Feb 15;294(7):2340-2352)。
脂肪細胞を用いて、N–アセチルシステイン(去痰剤としても使用されている)、ビタミンE,グルタチオンといった抗酸化物質と言われる物質を作用させています。
その結果は驚くべきものでした・・・・・
なんとミトコンドリアで活性酸素(ROS)が著明に増加したのです。
活性酸素が過剰に産生されるとどうなるのでしょう?
近傍にあるプーファと鉄と反応するのでしたね(^_-)-☆。
活性酸素は、元はといえば、電子のフローが渋滞し、その自由電子が酸素と反応してできたものです。この活性酸素の発生自体は、酸素と電子の反応であり、これを「酸化」といいます。
このあと酸化で発生した活性酸素が、プーファと鉄と反応して、生命場を破壊するアルデヒドを発生させることが、”真の酸化”なのです。
つまり、「抗酸化物質が酸化作用」をもたらしたということですね(#^.^#)。
しかも、抗酸化物質は組織周囲の酸素濃度を低下させた(つまり、発生した活性酸素が酸素を消費した)ために、脂肪細胞は低酸素状態になり、乳酸を産生する羽目になりました(病気の代謝[シックネス・メタボリズム」)。
脂肪細胞で活性酸素が増加することで、II型糖尿病の特徴であるインシュリン抵抗性になることは、拙著『慢性病は現代食から』に詳述しています。
この脂肪細胞のインシュリン抵抗性からリポリシスが起こり、全身に炎症は波及してきます(『病はリポリシスから』)。
抗酸化物質とよばれる物質は、慢性摂取すると活性酸素を増加させて、全身に炎症を引き起こして現代病(慢性病)を引き起こすのです。
これが慢性病の原因(還元状態=抗酸化状態)を端的に例示するものです。
抗酸化物質の投与によって、活性酸素がたくさんできる”状態”をもたらすことを「還元ストレス」と命名し、理解がスムーズになるように読み解きました(^_-)-☆。
これは、活性酸素がたくさんできる状態では、細胞内は還元状態(アルカリ性)になっているからです。
細胞内は元々は酸性でキープされているので、これがアルカリ性になると非常に強いストレスになります。酵素などすべての活動がストップします・・・・・・
還元ストレスが、糖尿病などのメタボ、リウマチなどの自己免疫疾患、心臓疾患、アルツハイマー病などの脳変性疾患やガンの直接的原因であることは、ようやくサイエンスでも言及されるようになってきました。
「抗酸化物質、植物性~」という言葉を聞くと、私は黄色信号(いやレッドかも知れません(#^.^#))が点滅します・・・・・