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『腸内細菌に善玉はない!-抗生物質悪玉説を斬る』

 

みなさんは風邪を引いたら抗生物質を処方される理由をご存知でしょうか?

医師の理由としては・・・・・

風邪はウイルス感染なので、バクテリアを叩く抗生物質は意味がないけれども、風邪が昂じてバクテリア感染になる予防として投与するというもの。

これは、肺炎などはバクテリアで引き起こされることが多いからですね。

さて、私は違う理由で風邪にも抗生物質は有効であるとお伝えしてきました(ただし、処方される薬は以前お伝えしたように不純物が多いため、あまりお勧めいたしません)

これは拙著『慢性病は現代食から』のテーマでもあります。

今回、この私の理論(および臨床経験)がズバリ的中している最新の研究が報告されています(eLIFE, Apr 16, 2019)。

この研究論文では、肝細胞がんは、腸からのエンドトキシン(内毒素、LPS)が肝臓に流入して炎症を引き起こすことで起こることを証明しています。

このエンドトキシンは、現在メインストリームの医学のみならず、ポップカルチャー(一般健康常識)でもとりあげられる善玉腸内細菌からも放出されることが明記されています。

つまり、糖のエネルギ―代謝という生命の本質から見ると、腸内に善玉も悪玉もないということです。

この研究ではエンドトキシンが取り上げられていますが、これはグラム陰性菌というバクテリアが放出するものです。


しかし、エンドトキシン以外にも同じ作用をもつ物質をグラム陽性菌でも放出することは拙著でも詳述しました。

そして、多くの脂肪肝による炎症(NAFLD)や肝炎といわれるものの原因も、エンドトキシン、プーファ、鉄および乳酸が介在しています。

この私の理論と臨床経験を裏付けるように、抗生物質を与えると肝細胞がんが著明に減少したことが書かれています。

抗生物質は腸内細菌を減少させるので、エンドトキシンなどの炎症性物質を減らすことでがんが実際に減少したのですね。

エンドトキシンなどの腸内細菌の毒性物質は、がんだけでなく、糖尿病などのメタボ、アトピー性皮膚炎、リウマチやうつ病などの精神疾患を含めあらゆる慢性病に関与しています。

腸内(特に小腸)細菌を最小限に抑えることが、慢性病の治癒の重要なステップです。

糖のエネルギー代謝にとって、「乳酸菌」というのは二重の意味で過増殖を避けなければならないバクテリアです。

それは私たちにとって、エンドトキシンと乳酸のダブルパンチをもたらすからです。

善玉腸内細菌(実際はそのようなものはない)を増やすような危険な行為は再考がせまられていますね。

 

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