アトピー性皮膚炎の一つの主要な原因として腸内環境の悪化(エンドトキシン)をお伝えしてきました。
今度はその反対の皮膚がリーキーガットの原因になるという興味深い研究が報告されています(Immunity, April 23, 2019)。
実験ではマウスの皮膚をスクラッチする(テープを貼ってはがす)ことで起こる変化を見ています。
皮膚を掻くと、インターロイキン33(IL-33)というタンパク質が血液内に流入し、小腸まで達します。
小腸粘膜はこの刺激で、最終的に肥満細胞を刺激して、炎症性物質であるヒスタミンを放出します。
このことでリーキーガット(腸漏出症候群)が起こるのです。
食品アレルギーもリーキーガットがベースにあります。
実際、皮膚に貼付したテープをはがしたマウスでは、そうでないマウスよりシビアな食品アレルギーを引き起こしました。
このように腸と皮膚の関係は密接なのです。
皮膚を掻くといけないと分かっていても、掻痒感に耐えられる人間はそうはいないと思います(かく言う私も耐えられないタイプです)。
アトピ―性皮膚炎の根治治療で重要なのは、この掻痒感をどうやって対処するかも、大きなポイントです。
(アトピ―性皮膚炎の掻痒感のメカニズムやその対処法も『アトピ―性皮膚炎の根本原因とその治療』DVD(パレオ協会)で詳述しましたので、是非ご参考にされて頂ければと思います。)
皮膚を掻くと、腸からエンドトキシンがさらに流入して、アトピー性皮膚炎などの湿疹を増悪させる・・・・
これが病気の場での「負のスパイラル」というものですね。
この「負のスパイラル」から抜け出すには・・・・
対処療法だけでは限界があります。
まずは、遠回りに見えても「病気の場」から「健康の場」に変えることが先決です(^_-)-☆。