みなさんのお子さんは、学校に行くのが楽しいでしょうか?
そうでない場合、よく「お腹が痛い」と言って休むことが多いのではないでしょうか。
子供(特に低学年まで)は、実際よく”お腹が痛い”と訴えることがあります。
私は医師ですので、すぐに虫垂炎にでもなっているのかとお腹を触ったしまいますが・・・・・
たいていは、お腹に異常所見はありません。
しかし、子供はたしかにお腹の張り、下痢、便秘、嘔吐などの消化器症状があります。
さて、腸の状態が悪化する炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)などでは、不安神経症のような気分障害(mood disorder) に罹りやすくなります。
炎症性腸疾患がない場合と比較すると、不安神経症になる頻度は5倍に跳ね上がります。
つまり、腸の炎症と脳のダメージ(糖のエネルギー代謝低下)とはリンクしているということです。
最新の研究で、小さいときのストレスが腸と脳に影響を与えるという結果が報告されています(Development and Psychopathology (2019), 1–20)。
この研究では、小さいときに親にネグレクトされた子供たち(施設に入れられたり、養子縁組された子供)たちに腹部症状を訴えることが多いことが判明しています。
そしてその子供たちは、不安神経症を伴うようになります。
この研究では、腸のバクテリアと脳の活動(fMRI)を調べています。
このような逆境に育った子供では、腸内のバクテリアの多様性が低下したこと。そして、脳の情動に関する部位の活動異常が認められた様です。
これは、拙著『慢性病は現代食から(続・新免疫革命)』のテーマであったエンドトキシン(内毒素)が深く関与していることの傍証です。
ストレスで小腸からバクテリアの毒素(エンドトキシン)が血液内に流入します。
このエンドトキシンは脳にも激しい炎症を引き起こすのです。
学校に行きたくない子供がお腹を痛める理由。
それはストレスによって、小腸からエンドトキシンが血液に流入し、脳で引き起こされる炎症によって不安になる(学校に行きたくない)からです。
いじめや宿題をしていないことで、学校に行きたくないと仮病を使う子供もいるかも知れませんが、ストレスで本当にお腹が痛くなり、うつや不安に襲われるようになるのです(^_-)-☆
あなたの子どもが、たいした理由もなく学校に行きたくないと言ったら・・・・・
その時は腸の状態を良くしてあげましょう(^_-)-☆。