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『生命現象を説明する樽理論(たるりろん)』

 

現代医学では、動脈硬化などの原因として昔から「ウイルス感染」を挙げていることをご存知だったでしょうか?

ウイルスと動脈硬化?????

とくに環境中に常在しているサイトメガロというウイルス感染と動脈硬化の関係が以前から指摘されています。

このウイルス感染(というかすでの私たちの遺伝子に組み込まれている)が今度はアレルギーの原因を作っているという研究が報告されました(PLOS Pathogens, 2019; 15 (3): e1007595)。

実験の簡単な詳細を見てきましょう・・・・・・

まず最初に、サイトメガロウイルス感染および卵白のアルブミンというタンパク質を別々にマウスに投与しています。

いずれの場合もアレルギー反応(この場合は喘息)は起きませんでした。

ところが・・・・・

マウスにサイトメガロウイルスを気道感染させたと同時に、卵白アルブミンを気管内に投与するとアレルギー反応(喘息)が出たのです。

なぜこのような現象が起きたのでしょうか?

論文では・・・・・・・

サイトメガロウイルス感染によって、マウスの白血球(樹状細胞)が過剰に活性化して、通常では反応しない卵白のアルブミンにも反応するようになったと説明しています。

もしこれが私たち人間にも起きるのであれば、ほとんどの人はアレルギーや自己免疫疾患になっているはずです。

なぜならサイトメガロウイルスにはほとんどの人が感染している常在ウイルスだからです。

そして環境中には様々なタンパク質であふれていて、私たちは常時それを吸い込んでいます。

花粉はその代表ですね。

ほとんどの人はサイトメガロウイルスに感染し、環境中の様々なタンパク質に暴露している。。。。。。。

しかし、実際にアレルギーが起こるのは、そのうちの一部分の人たちだけです。

この現実は、今回のマウスの実験結果とは合いません。

それでは、この実験結果をどう解釈したらよいでしょうか?

これは私が以前書いた『間違いだらけの食事法』という古い本にそのヒントがあります(この当時はまだ私が現在の「糖のエネルギー代謝」には行きついていなかったため、今から見ても不正確な記述があります)。

それは「樽理論(たるりろん)」と私が呼んでいるシンプルな法則です。

私たちがストレスに対応できる「エネルギー総量=樽の容量」があります。

様々なストレスにさらされている場合(あるいは糖のエネルギー代謝が低い場合)は、樽の水がすでにあふれる寸前(発症する寸前)になっています。

この状態ではたとえ小さなストレスでもそれが引き金となって、発症します(樽の中の水が溢れかえる)。

おそらくウイルス感染、その後のタンパク質(ゴミ)暴露で樽から溢れかえった場合にはアレルギー、自己免疫疾患、ガンとなって発症するのだと思います。

ということは、ウイルス感染だけでも樽の水がすでにいっぱいの場合は、発症することもあるということです。

あらゆる病気の発症を防ぐためには・・・・・・

「樽の容量を大きくする」ことが最善の策です。

これは、糖のエネルギー代謝を回すことに他になりません。

そして次善策として、「環境毒暴露(およびストレス)を最小限にする」こと。

これは、樽の水を増やさないことになります。

この理論は、「ホルミシス効果」という原発業界御用達の”暴論”を明確に否定する際にも通用しますし、様々な生命現象を理解するにも非常に有用なものです(^_-)-☆・

 

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