心臓のリズムが乱れることを不整脈(ふせいみゃく)といいます。
この不整脈の中でも、脳卒中や肺塞栓など命にかかわる血管閉塞を引き起こす危険な不整脈のことを「心房細動(しんぼうさいどう)」と呼ばれています。
さて、最新の疫学的調査(エビデンスレベルは低い)で、糖質制限食(低炭水化物食)が高炭水化物食や中等度の炭水化物食よりも心房細動との関連が強いことが学会報告されました(the American College of Cardiology’s 68th Annual Scientific Session.)。
この研究は疫学的調査(かつ学会報告レベル)なので、エビデンスレベルは低く、因果関係も示せませんので普通はご紹介しません。
しかし、研究発表の中に私がご紹介してきたサイエンスの基礎に関する記述がいくつかありました。
この研究発表では、糖質制限食(低炭水化物食)とケトン食、アトキンズダイエット、米国式パレオダイエットは同じであるときちんと書いています(^^♪。
パレオダイエットとは、元々「旧石器時代の食事」という意味です。
米国式パレオダイエットはまったく「旧石器時代の食事」を反映していないことをお伝えしてきました。
米国式パレオダイエットと区別するために、「旧石器時代の食事」を「崎谷式パレオダイエット」あるいは単に「原始人食」(現在はアップデート版になっています)としてご紹介しています(^_-)-☆。
そして、なぜ糖質制限で心臓にダメージが及ぶのかというメカニズムに関しては・・・・・・
この研究発表では、きちんと炭水化物の代わりに脂肪やタンパク質をエネルギー源にすると”酸化ストレス”がかかることが原因と書いています。
研究者はおそらく酸化ストレスの意味を正確に理解していないと思いますが・・・・・・
この場合の”酸化ストレス”とは、活性酸素が過剰に産生されて、鉄とプーファを巻き込んで猛毒のアルデヒド(過酸化脂質)ができることを指しています。
(酸化と還元については拙著『ガンは安心させなさい』をご参考にされてください。この本には、教科書には記載されていない「酸化ー還元」の本質が書かれています(#^^#)。また今後ウエルネスラジオでもこの話題を取り上げますね(^^♪。)
「心房細動」という重症の心臓の筋肉のリズム異常は、心筋細胞に十分なエネルギーが供給されないために、リラックスできないことで起こります。
心筋細胞は筋肉と同じように泣く泣く脂肪をエネルギー源にしているのですが・・・・・・(本当は糖を使用したい・・・( ;∀;))
食事中の脂肪とりわけプーファを炭水化物の代わりに過剰摂取すると、心筋細胞のエネルギー産生所であるミトコンドリアに壊滅的なダメージを負います(『オメガ3の真実』に詳述しました)。
これにタンパク質源として大豆を摂取すれば、さらに心筋細胞のダメージが深まります。
それは発酵していない大豆は強いエストロゲン作用をもっているからですね(^^♪。
その他にも筋肉部位の肉をたくさん食べすぎると、皆さんの甲状腺がやられます。
心臓のエネルギー産生には、甲状腺ホルモンが必須なのです。
糖質制限、ケトン食、アトキンズダイエット、米国式パレオダイエットは、甲状腺機能を低下させて、脂肪やタンパク質をエネルギー源にすると恐ろしいことになるということを示してくれているのです(^_-)-☆。