Book

『ステロイドでなぜお腹が出るのか?』

 

アトピー性皮膚炎、喘息などのアレルギー疾患や関節リウマチ、SLE、潰瘍性大腸炎などで使用されるステロイド剤。

これは低血糖などのストレスで放出されるストレスホルモンのコルチゾールと同一のものです。

このステロイド剤を長期使用していると、お腹が出てきます。

いわゆる「中心性肥満」です。

これは高コルチゾール血症をもたらす「クッシング症候群」の典型的な兆候でもあります。

脂肪がつくのは、お腹だけではありません。

異所性脂肪沈着といって、あらゆる臓器に脂肪が沈着し始めます。

その典型例が肝臓です。

一般的に「脂肪肝」とよばれていますが、現代ではこれがいまや肝硬変、肝がんの一番大きな原因になっていることをご存知だったでしょうか。

肝臓は体中の毒素が運ばれてくるところですから、プーファ(多価不飽和脂肪酸)という毒が一番蓄積しやすい臓器です。

またのちほど述べますが、全身の臓器がインシュリン抵抗性(糖が細胞で利用できない状態)という状態になります。

さて、今回なぜステロイド剤投与によってこのような現象が起こるのかを調べた研究が報告されました(Endocrinology, 2019; 160 (3): 504 )。

脂肪組織の脂肪細胞にステロイド剤が作用すると・・・・・

何が起こるのでしょうか?

まず脂肪細胞の肥大・増殖が加速します。

これでお腹が出るわけです(^_-)-☆。

そしてリポリシス(脂肪分解)が起こり、血液中に大量に脂肪組織に蓄積していた脂肪(現代人はプーファ)が放出されます。

ここから以降は研究論文では不明な部分であったので、解説していきます。

この血液中に放出されたプーファが各組織に蓄積するのです。

さらにこのプーファによって全身の組織にインシュリン抵抗性が引き起こされます。

筋肉組織に対しては、ステロイド剤は溶かしていく作用も加わります。

糖尿病、重症感染症やがんの状態ですね。

ということは・・・・

低血糖などをもたらすストレス(糖質制限、ファスティング、ケトン食)も同じく長期的には体内産生コルチゾールによって同じことを引き起こすのです。

私もストレスが多い時期にお腹が出る原因はこれだと思います(^_-)-☆。

興味深いことに、筋トレでオーバートレーニング(=ストレス)をすると、次の日にお腹がぼっこり出ています(#^.^#)。 何事もほどほどに・・・・・。

ステロイド(コルチゾール)は、脂肪細胞を増大・増殖させ、かつ脂肪組織から全身の組織に脂肪を蓄積させる(リポリシス)。

それが顕著に出ているのが内臓脂肪(ぽっこりお腹が出る)と脂肪肝ということです(#^.^#)

以上は『慢性病は現代食から(続・新免疫革命)』に詳述している内容です。

アマゾンではあまりきちんとした書評がなくて残念に思っているのですが、出版社からは一番売れているということでした(^_-)-☆。

 

関連記事

  1. 『ワクチンの量を減らす方が効果は高い!』

  2. 『ルックスの魅力はどこからくるのか?』

  3. 『ペットボトルの水について〜リアルサイエンスシリーズ』

  4.  『小学生の方がなぜ高学歴の成人より優れているのか?』

  5. 『ロックダウンは最も死亡率を高める政策』

  6. 『遺伝の病気は治らない??〜リアルサイエンスシリーズ』

  7. 『白米をたべるアジア人は劣っているのか?』

  8. 『新型コロナは「マスコミ」による感染症』