パレオ協会の会員さまから最近ご質問があった内容ですが、重要な内容を含みますので、ここに回答をシェアしたいと思います(^_-)-☆。
腸の状態を良くする物質の歴史も紆余曲折があります(『ホルモンの真実3』DVDで詳述)。
以前、セロトニンというストレス物質を腸内で増やす医薬品が開発され、下剤としても使用されていました。
私がこの事実を知ったのは、すでにこの薬が市場から回収されてなくなった後でしたが・・・・・
もちろん、この医薬品はセロトニンを増やしますから、腸のダメージだけでなく、全身の炎症およびガン化を引き起こすため、甚大な副作用を引き起こしました。
この医薬品がビッグファーマによって発売されたときから、盛んにメディアに垂れ流されたのが、センナなどのクワイノン系のハーブの摂取するとメラノーシス(色素沈着)が起こるということでした。
大腸メラノーシスは主に下剤としてセンナ末(クワイノン系)を1日テーブルスプーン1杯程度の経口摂取を長期間継続(平均9か月)すると起こる大腸粘膜の着色です。
この着色は使用をやめると1年以内に元に戻ります。
また、この大腸粘膜の着色は、大腸がんとは関係がありません(Prz Gastroenterol. 2017;12(1):22-27)(Clin Med Insights Gastroenterol. 2018;11:1179552218817321)。
しかし、当時は「大腸メラノーシス」という言葉だけで、印象操作されて、クワイノン系のハーブは避けられるようになったのです。
クワイノンはがんの特効薬であることは拙著『ガンは安心させなさい』でお伝えしてきました。
この事実も20世紀初頭に激しく攻撃されて、メインストリームの医学から姿を完全に消したという歴史があります。
さて、なぜこの着色ができるのでしょうか?
がんや糖尿病などの慢性病は、細胞内がアルカリ性(還元状態)になっていることが病態悪化の原因になっています。
クワイノンはその酸化作用によって、細胞内のアルカリ性を初期状態(糖のエネルギー代謝が回っている状態)の弱酸性に戻してくれるのです。
そうです。
酸化ではなく、還元(アルカリ化)こそ病気の根本原因でした(^-^)。
問題が起こるのは、プーファや鉄の摂取量が多い現代人が、大量にセンナなどのクワイノンを経口摂取したときです。
この場合、クワイノンの酸化作用によって、プーファと鉄の反応で大腸粘膜内に「リポファッシン」という老人斑が形成されやすくなります(クワイノンがなくても、鉄とプーファがあれば老人斑ができる)。
肝斑(かんぱん)といわれる皮膚のシミと同じものです。
この老人斑が腸の粘膜に大量に出現した状態がメラノーシスといわれる着色と考えられています。
老人斑は顔の皮膚がんを引き起こさないのと同じように、大腸メラノーシスも通常は大腸がんを引き起こしません。
これは皮膚や大腸粘膜の新陳代謝が高く、老人斑ができた細胞はすぐに脱落するからです(ただし皮膚のシミはプーファ摂取が多い現代人は残存しやすい)。
しかし、粘膜や皮膚といった新陳代謝の高い組織以外の他の臓器、組織に大量に老人斑ができると、組織障害だけでなく、長期にはがんを引き起こします。
これは老人斑自体がミトコンドリアにダメージを与え、糖のエネルギー代謝を低下させるからです。
この場合は、興味深いことにクワイノンは逆に老人斑の形成をブロックします(クワイノンの古くから知られている抗ガン作用のひとつ)。
まとめると、
・大量のクワイノンを慢性摂取しない限り、メラノーシスは起こらない(通常の下剤量では起こらない)
・現代食(プーファや鉄強化食品)との相互作用で起こる。プーファを避ければメラノーシスは起こりにくい。
・メラノーシスが問題になるのは、皮膚や粘膜などの外界と接する体表を覆う組織(しかし、変性した組織は脱落するか死滅してなくなる)。体内の組織に老人斑ができた場合は、クワイノンはむしろそれをブロックする。
もちろん経皮吸収型のクワイノンでは大腸にメラノーシスは起こり得ませんのでご安心ください(^_-)-☆。