昔、ミトコンドリア・イヴという話がありましたよね。
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約16±4万年前にアフリカに生存していたと推定された現生人類の最も近い共通女系祖先名付けられた愛称です。
これは「ミトコンドリアDNAは必ず母親から子に受け継がれ、父親から受け継がれることはない。」という前提にたって調べられています。
ミトコンドリアDNAを調べれば、母親、祖母と女系をたどることができるとされてきました。
ある現存しる女性のミトコンドリアDNAをさかのぼったときに、たどり着いた女性がアフリカのミトコンドリア・イヴだったという話です。
これが人類のアフリカ単一起源説を支持する有力な証拠とされてきましたが・・・・
私もすっかりこの説を信じていました。
しかし、基礎医学で遺伝子を調べていて、おかしいなと気づきました。
それは、父親の環境が子供、孫まで遺伝するからです。
最新の研究で、ミトコンドリアDNAは父親からも子供に受け継がれることが証明されました(Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 Nov 26. pii: 201810946)。
これは今での遺伝学の常識を大きく覆す研究結果です。
もちろん人類アフリカ起源説は少なくとも否定されます。
また子供の気質は、母親の影響が大きいと考えられてきましたが、これも父親・母親のいずれもが影響を与えることが明らかになったのです。
父親の精子にあるRNAが鍵を握るという話を基礎医学(遺伝子欧州編)でお伝えいたしましたが、なんのことはない。父親のミトコンドリアの影響が子供に伝わるのです。
これで子供は両親の賜物であり、どちらに責任があるというような些末な次元ではないことははっきりしましたね(^_-)-☆。