「全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ」
これはパラケルススの格言ですが、彼は水銀を治療に用いました((+_+))。。。。。。。。
みなさん、「ホルミシス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ちょっとした毒(ストレス)はかえって健康に良いとするものです。
少量の毒は健康増進につながる・・・・
本当でしょうか?
ホルミシスの言葉の由来を知ると驚きますよ~(#^.^#)
1950年代に石油産業と原発産業が創設した言葉ですから・・・・
私は一貫して「ホルミシス」という概念は危険だとお伝えしてきました(『間違いだらけの食事健康法』に記載した「樽理論」です(^○^))。
産業が排出する(加工食品業界がばら撒く)毒性の強い汚染物質が少量なら体に良いというプロパガンダがサイエンスを通じて大々的に行われました。
放射能、ヒ素、エストロゲン、プーファ、重金属、石油の排気ガス(一酸化窒素、一酸化炭素)・・・・etc.
これらの毒性物質は少量なら体に良い作用をもたらすのでしょうか?
15年ほど前から、よく出現する容量―作用関係のU字カーブ(biphasic dose)の図。物質は、量によって作用が違うという“作り話”です。
パレケルススの言説を図にしただけのファンタジーです(*^。^*)。
本当は毒性物質と私たちの生体反応は「直線的関係」です。
つまり、毒性物質が増えるとそれに伴ってストレス反応が大きくなります。
ここで問題になるのが、少量だとストレス反応が小さくて逆にそれが健康につながるのではないかという根本的な過ちです。
最新の研究でも、自分の細胞を殺すまでの容量でないなら、毒性物質は逆に健康増進につながるというとんでもない誤解がありました(Cell metabolism August 16, 2018)。
基礎医学の「遺伝子総集編」でも詳述しましたが、毒性物質は少量でも多大なストレスを生体に与えます。
そして、そのストレス反応は遺伝子のスイッチを恒久的に変化させ、子子孫孫まで影響を与えることです(エピジェネテックス)。
そのストレス反応も糖のエネルギー代謝が回っていないと、たとえ少量の毒性物質でも制御不能になります。
つまり、個人によって、少量の毒でも大きなストレス反応を引き起こすということです。
ジョン・ゴフマンやアーネスト・スターングラスらはこの真実を指摘したことでサイエンスの世界から排斥されました。
少量でも毒性物質の効果が長期的(すぐに影響が見えないだけ)に及ぶので、因果関係が分からずに、「ホルミシス効果」という産業界が作ったファンタジーに洗脳されてしまうのです(#^.^#)。
先の研究ではミトコンドリアにストレスがかかると、抗酸化物質などが増えることだけを取り上げて健康効果が高まるとしています・・・・・・
浅すぎる・・・・・
抗酸化物質を高める経路は同時に一酸化炭素の産出も高めます。
一酸化窒素や一酸化炭素は、炎症を引き起こすだけでなく、生命の電子のフローを止めてしまいます。したがって、たとえ少量でも慢性的に暴露すれば結果はおのずと知れています。
抗酸化物質が多くなるというのは「ストレスの結果」であって、健康の原因ではありません(HDLと同じ概念ですね(^○^))。
抗酸化物質が多くなったというのは、ストレスをかなり受けたというサインなのです。
そのおかげで、細胞はアルカリ性になって、先にあげた一酸化炭素、エイコサノイド(プーファの代謝産物)やエストロゲンなどの産出が高まります(抗酸化物質でこれらの物質をブロックすることはできません)。
ストレス反応で形成される物質は、産業が排出する汚染物質と重なっています。たとえば、排気ガスに含まれる一酸化窒素や一酸化炭素は、体がストレスを受けたときに産生されます。
だから、汚染物質も体でストレスがかかったときに作るんだから、少しくらいの大気汚染は健康に良いと・・・・すごい産業論理ですね(^○^)。
ホルミシス効果はサイエンスではありませんし、ましてや真実でもありません。
産業界に刷り込まれた、自分にわざわざダメージを与える危険な思想です。このことも今後の著作でしっかりと書いていきたいと思います!(^^)!。