私もここ1年くらいで食事内容を変えてみて、実際にお腹にどれだけ脂肪がつくのかを自分で実験しています。
今のところ基礎的実験のとおりの結果が得られています(#^.^#)。
今流行のダイエットプログラムはほとんどがローカーボ、つまり低炭水化物食を勧めています。これはリバンドが激しく、体内をシックネス・フィールドに変えてしまう危険があります。長期に行ってはいけません。
さて、米国でも痩せるのに炭水化物を減らせばよいのか、あるいは脂肪を減らせばよいのかという表層的な議論が絶えません(サイエンスレベルではすでに決着がついています(#^.^#))。
そこで1年にわたって600名あまりの米国人にいずれかの食事(低炭水化物か低脂肪)にトライしてもらい、体重減少や遺伝子との関係を調べた結果が報告されました(JAMA. 2018;319(7):667-679)。
実験参加米国人の人種の比率は、白人(約50~60%)>ヒスパニック(約20%)>アジア人(約10%)。男女の比率はやや女性が多く、年齢は40歳前後でした。
となっています。
当初の参加者から170名がドロップアウトしています。
まず結果からいきましょう。
さて、どちらのダイエットが、体重減少効果が強かったでしょうか?
平均するとどちらも同様に体重減少効果が認められたようです(低炭水化物が-6.0、低脂肪-5.3kgの減少)。
もちろん体重がむしろ増加した人もいますので、体重減少した人と遺伝子やインシュリン分泌能との関係を調べたようですが、何の関係性も認められなかったようです。個人差がない、つまり個人によって食事に対する反応が違うということはなかったということです(これこそサイエンスです!)。
よくこの実験の結果を見ていますと・・・
1年経過した時点で
★低炭水化物食(ローカーボ)では
炭水化物29.8%、脂肪44.6%(1日の摂取総カロリーにしめる割合)
★低脂肪物食(ローファット)では
炭水化物48.4%、脂肪28.7%
(脂肪は飽和脂肪酸としか表記されていないので、実際にどの油を摂取しているのかは不明)
そして、1日総摂取カロリーをみていくと、
★低炭水化物食(ローカーボ)では525.7 Kcal,
★低脂肪物食(ローファット)では432. Kcal
の減少になっていました。
したがって、両グループの体重減少は単に総カロリーが両方のグループともに減少したことを反映しているだけにすぎないことが分かります。
つまり、この1年間の実験ではダイエットの内容ではなく、カロリ―制限の結果が体重減少につながっているだけに過ぎません。
食事内容でダイエット効果を見たいのであれば、摂取総カロリーは実験前と同じにしないといけませんよね(#^.^#)。
私たちの目標は、健康的に痩せることで、かつ持続性がある(誰にでも継続できてリバウンドがない)ということです。
今回の実験の結果からは、単にカロリーを減らしましょうとしか言えません。
どのような食事やライフスタイルを送ると無理なく健康に痩せるのかはまだブラックボックスになっていますが、今後それを詳しくお伝えしていきたいと思います。
この実験に最後まで参加した方々の1年後を是非調査してほしいですね(こちらの方が重要な実験になる)。
どちらの食事法に持続性があるのか、あるいはリバンドがくるのかなどが分かると思います。