今年の冬はインフルエンザウイルスB型が流行しているようです。
そのインフルエンザウイルス感染について興味深いレポートがありましたので、シェアしたいと思います(Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 Jan 18. pii: 201716561)。
インフルエンザウイルス感染で発症した人のくしゃみ、咳、あるいはそれらの付着した衣服などに接触すると感染するとされていますよね。
くしゃみや咳でウイルス粒子が空気中に浮遊している状態は「感染性エアロゾル」ともよばれています。
ところが、くしゃみ、咳がなくても。。。。。。
インフルエンザウイルス感染による発症者が普通に呼吸しているだけで、呼気からウイルス遺伝子(RNA)や感染性ウイルス粒子が認められたということです(サンプルの約50%)。
しかも、インフルエンザウイルスはくしゃみに多く含まれるというわけではなく、通常の呼気にも同じ程度の量が含まれているという結果でした。
つまり、マスクをしたり、くしゃみや咳をしている人に近づかないように注意していても、まだそのような症状が出ていない人、あるいは発症者が咳やくしゃみをしていなくても感染者の息からはウイルスが吐き出されているということです、
ということは、私たちは職場や人が集まるところに出かけますから、実際には高率に感染していることになります。
それでも発症する人と発症しない人がいるという点に健康を考えるヒントがあるはずですよね。
ちなみにこの研究論文の著者が進める予防策は。。。。。。。。
・人が集まるところはしっかり換気をすること
・なるべく自宅にいること(&感染者の隔離を厳重に)
そして
・インフルエンザウイルスのワクチンを受けること
この最後の点を言いたかったのでしょう(笑)。
ワクチンを受けても発症することを認めているものの、症状が軽くなると言っています。これは原理的には間違いないのですが、ウイルスワクチンに抗原性をつけるには添加物(ゴミ)をたくさん入れないといけません。
1週間程度で自然治癒するものに、そのようなワクチンを体内に入れるリスク(PAMPs &DAMPsとして他の炎症にも影響を与える)とベネフィット(感染症状が和らぐ)を総合すると自ずと答えはでてきますよね。